大会長挨拶
第73回日本口腔衛生学会学術大会 大会長 岸 光男 |
このたび、第73回日本口腔衛生学会学術大会が令和6年(2024年) 5月10日(金) ~ 12日(日) の3日間にわたり、盛岡のトーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)で開催される運びとなり、私が大会長を務める事になりました。
超高齢社会となり、生活習慣病をはじめとする慢性疾患が疾病構造の中心をなしている現代、健康づくりがますます重視されています。健康づくりは特定の病気を予防するだけでなく、今よりもっと良い心身の状態になろうとする意思や行動のことであり、いわば“あすなろの木”のような考え方です。「明日は今日より少しだけ健康になること」は若者でもお年寄りでも等しく試みることができます。そこで、本大会のテーマを「健康の伸びしろ」としました。誰もが持っている健康の伸びしろをさらに伸ばし、埋めていくことのお手伝いをすることが、われわれ保健医療担当者の役割だと思います。
本大会では健康についてあらためて考え、それをポジティブな方向に伸ばしていくための方法を検討していきたいと思います。現在企画している主なプログラムとして、特別講演には坪内逍遙 氏、小田島雄志 氏に続いて、シェイクスピア全37作品を新訳された翻訳家・演劇評論家の松岡和子 氏を迎え、物語で描かれる健康と病についてお話しいただきます。シンポジウムでは、健康や病を本人が感じる痛みや不都合といった主観的要素から評価するQOL測定が研究や臨床に与えたインパクトについて、QOL研究の第一人者の先生方にご講演いただく予定です。これらの他にもシンポジウム、学会賞受賞講演、一般講演(口演、ポスター)、ランチョンセミナー等の企画を準備しております。
参加される皆様にとって実りのある大会になるよう、準備を進めております。会員諸氏のみならず、多くの口腔保健の関係者にご参加いただけることを期待しております。