大会長挨拶
第74回日本口腔衛生学会 大会長 小松﨑 明 |
第74回日本口腔衛生学会学術大会は,令和7年5月16日(金)~18日(日)の3日間にわたり新潟市朱鷺メッセで開催される運びとなり,私が大会長を仰せつかりました。伝統ある本学会の学術大会を開催させていただくことは,講座員一同にとって大変な名誉であるとともに,その重責に身の引締まる思いであります。
さて,昭和27年に設立された本学会では,これまでに地域歯科保健や予防歯科臨床,基礎研究や疫学的研究の先頭に立ち牽引し,その実績・成果は日本の口腔保健の向上に大きく寄与してきたと思われます。生涯28を達成して健やかに生きるとの学会声明を,よりリアルに捉えるヒントが学会場には溢れており,次世代の健康づくりにつなげることが学術大会の開催意義だと私は考えています。
本大会のテーマは「口腔衛生学の真価・深化・進化」としました。歯科界を含め保健医療福祉の現場は大きな変革期に置かれています。今後の人材不足は地域社会の維持に関わる死活的問題とされています。2019年以降の新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響,各地で発生した地震や水害等の影響は,今も社会に大きな影を落としています。変わりゆく世界の中でも,私たちが追及する口腔衛生学の真価が問われ,より深い分析が求められ,保健医療福祉の進化を図る必要があります。
現在,皆様のご期待に応えるべく鋭意準備を進めております。特別講演は多摩美術大学教授で精神科医の伊集院清一教授にお願いしました。故中井久夫先生に師事されて日本の芸術療法の普及に尽くされ,病跡学を進化させた伊集院先生のご講演からは,我々がこれまで知らなかった多くのヒントが得られると思います。
その他に,教育講演,シンポジウムなどの企画を準備しておりますが,今回の大会からは協力会員制度が導入され協力会員の方も発表の共同演者になれますので,ぜひ協力会員の皆様も新潟にお越しいただき学術大会を体験していただければと思います。昨年に続いて学生ポスター発表セッションも設置いたしますので,学生会員の皆様も奮って演題応募をご検討ください。
新潟はお米や酒,海産物などの名物をお楽しみいただけると思いますが,佐渡島の金山がUNESCOの世界遺産に登録されましたので,この機会に佐渡汽船で黄金の島に船出されるのも一考です。新潟市の近隣には多数の温泉もありますし,田植えが終わった時期なので美しい田園風景をお楽しみいただけると思います。懇親会では海産物だけでなく新潟の地酒も味わっていただけるよう,利き酒コーナーを準備させていただきます(飲みすぎにはご注意ください)。
引続き開催にご協力いただきます皆様には,ご支援を賜りたくよろしくお願いいたします。皆様の本学術大会へのご参加を心よりお待ち申し上げております。